お金・節約

照明のLED化でどこまで下がる?部屋別・ワット別の目安

電気代がじわじわ上がるなか、「照明をLEDに替えるだけで本当にいくら下がるのか」を、部屋別とワット別で一度に把握できたら安心ですよね。
結論から言えば、白熱電球からLEDなら消費電力はおおむね80〜90%削減、蛍光灯からでも40〜60%削減が狙えます。
とはいえ、明るさの感じ方や器具との相性で「思ったより暗い」「まぶしい」といったギャップが起きがちです。
本稿では、ルーメンとワットの対応、部屋ごとの必要明るさ、色温度の選び方、さらに家庭・ワンルーム・小規模店舗のミニ試算までを具体的に整理します。
読み終えるころには「この部屋は◯ルーメンでLED◯W級が最適、色温度はこの範囲」という判断が自力でできるようになります。
ぱちっとスイッチを入れるだけで、静かに電気代だけが落ちていくイメージを一緒に形にしましょう。

LED化で何がどこまで下がるのか

消費電力はどれくらい減るかの全体感

白熱電球からLEDに替えると、同等の明るさで消費電力は約五分の一から十分の一になります。
具体例として、白熱60W相当の明るさならLEDはおおむね7〜10Wが相場です。
蛍光灯からLEDでは、同等明るさで約二分の一から三分の二になるのが一般的です。
直管40形蛍光灯が32〜40W程度に対し、直管LEDは15〜20W前後が目安です。
器具の拡散カバーや反射板の有無で体感は変わるため、目安には幅を持たせて考えるのが現実的です。

ワットではなくルーメンで考える

LED選びで見るべき数字は消費電力Wではなく明るさの単位ルーメンです。
白熱60W相当は約760〜820ルーメン、40W相当は約430〜500ルーメンが一つの基準になります。
同じ「◯W相当」でもメーカーによりルーメンが異なるため、必ずパッケージのルーメン値を確認しましょう。
壁や床の色、天井の高さ、シェードの透過率でも明るさの感じ方は変わります。
ルーメンは出発点、体感は環境と合わせて最終判断する、と覚えておくと失敗が減ります。

電気料金のざっくり計算式

電気代の概算は消費電力W÷1000×使用時間h×電力単価円毎キロワット時で求められます。
例えば10WのLEDを一日五時間、電力単価31円で使うと10÷1000×5×31で約1.55円です。
月では約46円、同じ明るさの白熱60Wなら60÷1000×5×31で約9.3円となります。
一灯で日当たり約7.75円、月およそ230円の差が生まれる計算です。
家中の照明で積み上げれば、年間では数千円から数万円の削減になり得ます。
電力単価は地域や契約で変わるため、ご家庭の最新単価に差し替えて計算してください。

部屋別の明るさとLED選定の目安

リビング

家族が集まり会話やテレビ視聴、軽作業など用途が入り混じる空間です。
天井のベース照明に加えて、スタンドや間接照明で層を作ると快適性と省エネの両立が容易になります。
八〜十二畳ならベースでおよそ1500〜2500ルーメンを起点にし、必要に応じてフロアライトで500〜1000ルーメンを足します。
テレビ背面をふわっと照らす間接光があるとコントラスト疲労を抑えられます。
色温度は昼白色から電球色の間で好みが分かれますが、夜のくつろぎ重視なら電球色寄りが無難です。

ダイニング

主役はテーブル面で、料理をおいしそうに見せつつ作業性を損なわないことが狙いです。
テーブル上で300〜500ルクスを確保できるよう、ペンダントなら800〜1500ルーメンを基準にします。
まぶしさを避けるため乳白カバーや広配光を選ぶと会話がはずみます。
色温度は温白色から電球色、演色性はRa90前後だと肉や野菜の色が自然に映ります。
明るさ不足を感じたら灯具を増やす前に、反射の良い卓上マットや明るいテーブル面を試すのが省電力です。

キッチン

刃物や火を扱うため、影を抑えて手元を均一に照らすことが安全につながります。
手元灯で1000〜1500ルーメンを目安にし、流し、コンロ、作業台をスイッチで分けられると無駄が減ります。
直管20形相当は900〜1200ルーメン、40形相当は1800〜2500ルーメンのLEDが基準になりやすいです。
色温度は作業性優先で昼白色から昼光色が見やすく、油はねの汚れも確認しやすくなります。
深夜調理が多いなら、温かめに落とせる調色機能付きも快適です。

寝室

天井灯は控えめにして600〜1200ルーメン程度、枕元スタンドで300〜500ルーメンを追加する構成が落ち着きます。
完全消灯の前に段階的に暗くできる調光機能が入眠の助けになります。
読書灯をスポット的に使えば部屋全体を明るくする必要がなく、消費電力を抑えられます。
色温度は電球色が王道で、演色性はRa80前後でも紙面の白黒は自然に見えます。
人感やオフタイマー付きにすると点けっぱなしの微妙な無駄を削れます。

子ども部屋と書斎

机上で500〜750ルクスを狙い、デスクライトは800〜1200ルーメンを基準に選びます。
天井灯は移動や片付けに支障が出ない1500〜2000ルーメン、手元でしっかりという二層構成が効率的です。
色温度は昼白色寄りが集中しやすいという声が多く、拡散カバーでグレアを抑えると長時間でも目が楽です。
ディスプレイ作業が多いならモニター背面に間接光を加えると負担が減ります。

玄関と廊下と階段

点灯時間は短くても安全性が最優先です。
玄関は300〜600ルーメン、廊下は200〜400ルーメンが目安です。
人感センサー付きにすれば消し忘れがほぼなくなります。
階段は段差が見やすいよう壁面補助灯を追加するのも有効です。
点数を増やすより必要なときだけ点く制御で電力を抑えるのが要点です。

洗面とトイレと浴室

洗面は顔色が自然に見える演色性と影の出にくい配光が鍵です。
ミラー周りで500〜700ルーメン、色温度は温白色から昼白色が使いやすいです。
トイレは100〜300ルーメンで足りることが多く、人感や微灯モードを併用すると待機電力も抑えられます。
浴室は防湿防滴仕様が大前提で700〜1200ルーメンを目安にします。
湿気環境では寿命が縮みやすいため、防水等級表示を確認しましょう。

ワット別置き換えのコツ

白熱電球の代表値とLEDの目安

白熱25WはLEDで約250〜300ルーメンの3〜4Wが目安です。
40Wは約430〜500ルーメンで5〜6W、60Wは約760〜820ルーメンで7〜10Wが一般的です。
80W相当は1100ルーメン前後で10〜13W、100W相当は1400〜1600ルーメンで13〜17Wが目安になります。
同じ相当表示でも配光角や器具の反射で体感が変わるため、吊り下げかシーリングか、シェードの透過率など条件も合わせて判断します。

蛍光灯の代表値とLEDの目安

丸形蛍光灯の30形はおよそ1500ルーメン、32形は1800ルーメン、40形は3200ルーメン程度が基準です。
LEDシーリングは器具全体のルーメンで表示され、六畳向けで3000〜3500ルーメン、八畳向けで3500〜4300ルーメンといった表記を参照します。
直管20形は900〜1200ルーメン、40形は1800〜2500ルーメンのLEDが多いです。
安定器の方式によって直結工事が必要な場合があり、グロースタータ式直挿し可のモデルもありますが点灯方式の相性確認は必須です。

調光や調色モデルの使いどころ

一台で明るさや色温度を変えられるモデルは、場面に合わせて無駄なワットを削ってくれます。
時間帯で目的が変わるリビングや寝室では特に効果的です。
既存の壁調光器と相性が合わないとチラつきや発熱、最小照度が高すぎるなどの不具合が出ます。
位相制御対応などの記載を事前に確認し、必要なら調光器ごと交換すると根本解決になります。

ミニ試算で見る削減額のリアル

一般家庭モデル

前提をシンプルに電力単価31円、一日平均点灯をリビング三時間、ダイニング二時間、キッチン二時間、寝室二時間、その他合計三時間とします。
リビングの白熱60W×二灯をLED9W×二灯に交換すると、一日当たりの差は括弧60×2−9×2括弧÷1000×3×31で約9.5円です。
月約285円、年約3420円の削減です。
ダイニングの白熱40W×二灯をLED6W×二灯にすると括弧80−12括弧÷1000×2×31で約4.2円毎日、年約1530円です。
キッチンの直管40形40Wを直管LED18Wへは括弧40−18括弧÷1000×2×31で約1.4円毎日、年約511円です。
寝室の白熱60WをLED9Wへは括弧60−9括弧÷1000×2×31で約3.2円毎日、年約1170円です。
その他を合算すれば照明だけで年間七千円から一万円規模の削減が現実的です。
点灯時間の長い家庭や器具点数の多い家庭ほど伸びしろは大きくなります。

ワンルームモデル

六畳シーリングを古い環形蛍光からLED器具へ替えるだけでも、毎日五時間点灯なら月数百円の差になります。
玄関やトイレや洗面を人感センサー付きにすれば消し忘れがほぼゼロになり、体感の節約度が上がります。
空間が狭いほど一灯あたりの設定最適化が全体効率の改善に直結します。

小さな店舗や事務所モデル

営業時間が長い業態では直管やダウンライトのLED化が劇的に効きます。
直管40形×二十本を40Wから18Wにすると、一時間あたり括弧40−18括弧×20で440Wの削減です。
十時間営業で4.4キロワット時、単価31円なら一日約136円、月二十六日営業で約3536円、年で約4.2万円の削減です。
タイマーや回路分割で清掃時だけ半分点灯などの運用を組めば、さらに数割の上積みが狙えます。

体験に基づく失敗回避のポイント

明るすぎや暗すぎを避ける最短ルート

失敗の多くは必要ルーメンの読み違いか配光ミスマッチで起きます。
迷ったら少し控えめなルーメンを選び、手元はスタンドで補う構成が安全です。
一灯で全てを賄うより役割分担で合計ワットを抑えるほうが省エネと快適の両立は簡単です。
拡散タイプとスポットタイプを混ぜると影のムラが減り体感は一段上がります。

色温度の選び方と生活リズム

電球色はくつろぎ向き、昼白色から昼光色は作業向きという基本を押さえます。
夜の長時間作業が多い家庭では中間の温白色や調色機能付きが便利です。
ダイニングは温かめ、作業台は白め、寝室は暖かめという分け方なら大きく外しません。
場所ごとに役割を分けたほうが電力の最適化もしやすくなります。

演色性Raのこだわりどころ

料理やメイク、手芸など色の見え方が重要な場ではRa90前後にこだわる価値があります。
廊下や物置はRa80前後で十分なことが多く、ここは消費電力と価格を優先して構いません。
全てをハイエンドにするより、場面でメリハリをつけるのがコスパ最強です。

調光器や既存器具との相性

壁の位相制御調光器と非対応LEDの組み合わせはチラつきや発熱、寿命低下の原因になります。
対応表記を必ず確認し、可能なら調光器ごと交換するのが根治策です。
埋め込みダウンライトは口金や器具寸法の制約が多いため、事前採寸とメーカー適合表の確認が安心です。

器具と使い方の工夫でさらに下げる

人感や明暗センサーで点けっぱなしをなくす

トイレや玄関や廊下は人感センサーの費用対効果が優秀です。
在室が短い場所ほど自動化の恩恵が大きいからです。
消灯遅延を短めにし明暗センサーを併用すると日中の無駄点灯も防げます。

スマート連携で必要なときだけ点ける

スマート電球やスマートプラグを使えば外出時の一括消灯、就寝時の段階的減光、在宅検知に合わせた自動制御が可能です。
照度センサーと人感を組み合わせると光の使い方が行動にフィットし、結果としてワットの総量が減ります。
過度な自動化は家族のストレスになることもあるため、まずはよく通る動線から始めるのがコツです。

反射率と影のマネジメント

壁や天井が暗色だと同じルーメンでも暗く感じます。
明るい内装や高反射のシェードを選ぶと少ないワットで満足度が上がります。
上向きの間接光を足すとまぶしさを抑えながら平均照度を底上げできます。
これもトータル消費電力の削減につながります。

選び方チェックリスト

パッケージで必ず見る数値

ルーメン、消費電力W、色温度K、演色性Ra、定格寿命、配光角、調光対応の有無は毎回確認します。
シーリングライトは器具光束と適用畳数も要チェックです。
直管や丸形は既存安定器の方式、直結工事の要否、人感や明暗センサー機能の有無を見落とさないようにします。

用語ミニ辞典

ルーメンは光の総量、ルクスは面の明るさ、色温度は光色の暖かさから白さを示します。
演色性Raは色の自然さを表し100に近いほど太陽光に近づきます。
配光角は光の広がりで広いほど均一、狭いほどスポットになります。
これらを押さえておくと同じ相当表示でも製品差を読み解けます。

よくある反論とその答え

LEDは高いという指摘

初期費用は白熱より高いものの月々の電気代差額で回収できるケースが多いです。
一灯で月200円前後の差なら数カ月で元が取れる計算です。
価格は下がり保証付き製品も増えており故障リスクは相対的に小さくなっています。

寿命は本当に長いのか

カタログ寿命は周囲温度や点灯条件に依存します。
密閉器具や高温環境では短くなるため用途に合う仕様選びが重要です。
それでも白熱の数百から千時間級と比べればLEDの数万時間級は依然有利です。
保証年数の長いメーカーを選ぶのも安心材料になります。

虫が寄らないって本当か

紫外線成分が少ないLEDは相対的に虫が寄りにくい傾向があります。
ただし完全に寄らないわけではありません。
屋外では色温度や設置場所、防虫対策全体で差が出ます。
過信せず「寄りにくい」と理解して運用しましょう。

畳数別シーリングライトの選び方

六畳前後の部屋

六畳は日本の定番サイズゆえに、製品の選択肢が最も豊富です。
器具光束はおおむね3000〜3500ルーメン、消費電力は24〜35W級が基準になります。
天井が低めで壁が白系なら3000ルーメン寄りでも十分に感じるケースが多いです。
一方で濃色の壁紙や背の高い家具が多い部屋は反射が落ちるため、3500ルーメン寄りを選ぶと失敗が減ります。
就寝前は明るすぎを嫌う人が多いので、調光段階が細かいモデルだとすっと落としやすく快適です。

八〜十畳の部屋

八畳は3500〜4300ルーメン、十畳は4000〜5000ルーメンが目安です。
テレビ視聴や会話が中心なら、ピークの明るさはほどほどでも問題になりにくいです。
むしろグレアを抑える拡散カバーと、常用域での効率が高いモデルを重視すると電気代を底上げできます。
冬場は窓からの入光が減るため、ワンランク上の器具光束にして普段は調光で絞る運用が合理的です。
点けっぱなしを避けるために、入室時は明るく、数分後に自動で常用照度に落ちる機能があると地味に効きます。

十二畳以上の部屋

十二畳は5000〜6000ルーメン級が起点です。
ただし一台で均一に照らそうとすると真下はまぶしく、端は薄暗いというムラが出やすいです。
天井の中央は4500〜5500ルーメン程度に抑え、コーナーにフロアライトを足す二層構成が電力あたりの満足度は高くなります。
大空間は器具自体の待機電力も無視できないため、リモコン・常夜灯の待機を賢く切れるモデルが向いています。
点検時の脚立作業が増えるため、長寿命かつ防塵性の高い器具でメンテ回数を減らす発想が安全です。

天井高・内装色・窓向きの補正

天井高が260cmを超えると、同じルーメンでも床面照度が下がりやすいです。
高天井なら一段高い器具光束、もしくは配光が広いモデルを選びます。
壁や床がダークトーンなら反射率が下がるため、ルーメンを1〜2割増しに見積もると安心です。
窓が北向きで昼が暗い住戸は、昼白色寄りで演色性の良い器具を選ぶと体感の暗さが補えます。
反対に南向き・白壁なら、ルーメンの欲張りすぎを避けて常用照度の省エネ性を優先しましょう。

部屋別・ワット別の早見目安

白熱電球→LEDの置き換え早見

・25W相当=約250〜300ルーメン、LED目安3〜4W。
・40W相当=約430〜500ルーメン、LED目安5〜6W。
・60W相当=約760〜820ルーメン、LED目安7〜10W。
・80W相当=約1100ルーメン、LED目安10〜13W。
・100W相当=約1400〜1600ルーメン、LED目安13〜17W。
同じ相当表記でも配光角やグローブの透過率で体感は変わります。
ペンダントの乳白グローブは広配光でも透過で暗く感じやすいので、ルーメンを一段上げると無難です。

蛍光灯→LED(シーリング/直管)の早見

・六畳向けシーリング=器具光束3000〜3500ルーメン、LED消費24〜35W。
・八畳向けシーリング=3500〜4300ルーメン、30〜45W。
・十畳向けシーリング=4000〜5000ルーメン、35〜55W。
・直管20形相当=約900〜1200ルーメン、8〜12W級。
・直管40形相当=約1800〜2500ルーメン、15〜20W級。
安定器の方式次第で直結工事が必要な場合があります。
グロースタータ式直挿し可のモデルもありますが、器具の適合表を必ず確認しましょう。

スポットライト・ダウンライトの目安

・読書・作業のスポット=500〜800ルーメン、6〜10W級。
・アクセント照明=200〜400ルーメン、2〜5W級。
・ダウンライト埋込φ100mm級=500〜700ルーメン、6〜8W級が一般的です。
まぶしさが気になるなら拡散レンズやウォームディミング機能を選びます。
点在配置は合計ルーメンを過剰にしがちなので、調光スイッチ分割でこまめに落とす運用が効きます。

間接照明の目安

・テレビ背面やコーブ照明=300〜800ルーメン、3〜8W級。
・ベッド下やフットライト=50〜150ルーメン、0.5〜2W級。
間接光は平均照度を底上げしつつグレアを抑えるため、同じ体感明るさでもワットを節約しやすいです。
「薄暗いところに少し足す」発想で、ぱっと視界が楽になります。

買い替え時のチェックフロー

まず確認すること

・口金サイズ(E26、E17、GU10など)と器具形状を確認します。
・調光器の有無を見ます。
非対応LEDを付けるとチラつきや発熱の原因になります。
・密閉器具可否、防湿防滴の等級を用途別に確認します。
・必要ルーメン、色温度、演色性Ra、配光角、定格寿命、保証期間をメモします。

器具別の注意点

・直管型は安定器の種類で配線工事要否が変わります。
工事不要モデルでも点灯方式によっては始動が遅いなどの相性差があります。
・シーリングライトは「適用畳数」より器具光束と常用域の効率を重視します。
・ダウンライトは埋込径と断熱施工の可否、調光器との整合をセットで見ます。
・屋外や玄関はセンサー感度や点灯保持時間の調整幅が広い製品が扱いやすいです。

調光・センサー・スマート機能の相性

・壁スイッチ調光は位相制御方式の表記を確認し、対応LEDか、調光器側の交換が必要かを判断します。
・人感センサーは明暗センサーと組み合わせると日中のムダ点灯が減ります。
・スマート電球はハブ要否、Wi-Fi常時接続の待機電力、家族の操作感を考えて導入順序を決めます。
まずは廊下やトイレなど短時間点灯エリアから小さく試すと、こつこつ最適化できます。

購入前テストの小ワザ

・最有力候補を一灯だけ先に買い、実部屋でルーメンと色温度を体感します。
・明るすぎたときは拡散シェードやディマーで使い切る発想が大切です。
・レシートと保証書はスマホで撮ってクラウドに保管します。
・古い電球は非常用の予備として一時保管し、動作確認後に自治体ルールで適切に廃棄します。

家計インパクトの追加シミュレーション

60W白熱→9W LED、一灯の回収期間

前提は電力単価31円、毎日5時間点灯とします。
差分は60−9=51Wです。
日当たりの節約電力量は51÷1000×5=0.255kWhです。
電気代は0.255×31=7.905円/日です。
月30日で7.905×30=237.15円です。
LED電球の価格が800円なら回収期間は800÷237.15=約3.4カ月です。
1200円なら約5.1カ月、2000円でも約8.4カ月で回収できます。
消耗が早い白熱球の買い替え手間も減るため、実質的な利得はもう少し大きくなります。

家まるごと交換、標準家庭モデルの拡張

仮設定として次の条件を置きます。
リビング旧環形蛍光100W→LED35Wを3時間。
ダイニング40W×2→LED6W×2を2時間。
キッチン直管40W→LED18Wを2時間。
寝室60W→LED9Wを2時間。
子ども部屋60W→LED9Wを3時間。
玄関40W→LED6Wを1時間。
廊下40W→LED6Wを1時間。
トイレ40W→LED6Wを1時間。
洗面30W→LED6Wを1時間とします。
各日の節約額は順に、6.045円、4.216円、1.364円、3.162円、4.743円、1.054円、1.054円、1.054円、0.744円です。
合計は23.436円/日です。
月30日で703.08円、年では8436.96円、すなわち約8400円の節約になります。
センサーや自動減光を足すと、さらに数割の上積みが現実的です。

在宅ワーク世帯の昼間点灯が増える場合

仕事部屋の60W→9Wを追加で4時間点灯すると、差分51W×4時間で0.204kWhの節約です。
費用は0.204×31=6.324円/日です。
月では約189.7円、年では約2276円です。
さらに昼間は天井灯35Wを避けてデスクライト8Wに置き換える運用を4時間行うと、差分27W×4時間=0.108kWhです。
費用は0.108×31=3.348円/日、月約100.4円、年約1205円が上乗せで削れます。
運用の工夫とLED化の合わせ技で、じわっと固定費が下がります。

小規模店舗・オフィスでの本数効果

直管40形を20本、40W→18Wに交換し、10時間×月26日点灯とします。
差分は22W×20本=440Wです。
日当たりの節約電力量は0.440kW×10時間=4.4kWhです。
費用は4.4×31=136.4円/日です。
月では136.4×26=3546.4円、年では約4万2552円に達します。
回路分割で清掃時だけ半点灯、定休日の自動消灯などを組み合わせると、さらに効率が伸びます。

もう一歩踏み込む最適化

色温度と演色の実務的な落としどころ

ダイニングは温白色〜電球色、キッチンは昼白色〜昼光色、寝室は電球色という基本線で大外しは避けられます。
料理やメイクにこだわる場所はRa90前後、その他はRa80前後で十分です。
演色性が高いと同じルーメンでも明るく感じやすく、結果的に調光で落として使えるため省エネに寄与します。
「色が自然に見える=明るいと感じる」という体感の効果を味方につけましょう。

まぶしさ対策は省エネに直結する

グレアが強いと無意識に明るさを下げてしまい、局所が暗く感じて追加の灯具を点ける悪循環が起きます。
拡散シェード、広配光レンズ、上方向の間接光を足すと、同じ電力で体感が一段明るくなります。
床面の照度だけでなく、壁と天井の明るさバランスを見るのがコツです。
「面を明るくする」考え方がワットの節約に効きます。

メンテと安全で寿命を守る

器具カバーのホコリは想像以上に光を吸います。
月に一度の乾拭きだけでも数%の明るさが戻り、無駄な買い替えを防げます。
密閉器具内は熱がこもるため、定格で密閉対応のLEDを選びます。
浴室は防水等級の確認に加えて、経年でパッキンが劣化していないかも点検します。
異音やちらつき、焦げ臭さを感じたら即消灯し、無理な使用をやめるのが鉄則です。

畳数・部屋別のクイック早見(まとめ用メモ)

畳数別器具光束とLEDワットの相場

・六畳=3000〜3500ルーメン、24〜35W。
・八畳=3500〜4300ルーメン、30〜45W。
・十畳=4000〜5000ルーメン, 35〜55W。
・十二畳=5000〜6000ルーメン, 40〜60W。

部屋別の典型値

・リビング=ベース1500〜2500ルーメン+フロア500〜1000ルーメン、合計24〜40W級。
・ダイニング=テーブル上800〜1500ルーメン、5〜15W級、温白色〜電球色。
・キッチン手元=1000〜1500ルーメン、8〜15W級、昼白色。
・寝室=天井600〜1200ルーメン+枕元300〜500ルーメン、合計8〜18W級、電球色。
・子ども部屋/書斎=天井1500〜2000ルーメン+デスク800〜1200ルーメン、合計15〜30W級。
・玄関=300〜600ルーメン、3〜10W級。
・廊下=200〜400ルーメン、2〜6W級。
・洗面=500〜700ルーメン、6〜10W級。
・浴室=700〜1200ルーメン、8〜15W級、防湿防滴。
・トイレ=100〜300ルーメン、2〜5W級、センサー推奨。

ケースでわかる「失敗回避」再点検

よくあるギャップと処方箋

・想像より暗い。
原因はグローブの透過率や壁色。
対策はルーメン一段増し、もしくは間接光の追加。
・まぶしい。
原因は裸電球や狭配光。
対策は拡散シェード、広配光、調光の常用化。
・チラつく。
原因は非対応調光器。
対策は対応LEDに変更、または調光器交換。
・色が不自然。
原因は演色性不足や色温度ミスマッチ。
対策はRa90近辺へ、または温白色/電球色へ寄せる。

まとめ

LED化の効果は、白熱からなら約80〜90%、蛍光からでも40〜60%の消費電力削減が現実的です。
ただし成功のカギはワットではなくルーメン、そして配光と色の設計にあります。
畳数や天井高、内装色を踏まえ、部屋ごとに必要最小限のベース照明と、手元や壁を補う間接光を組み合わせると、少ないワットで満足度が上がります。
購入は一灯テストから始め、相性や体感を確かめてから横展開するのが賢い進め方です。
今日できる第一歩は、よく使う一室の電球をLEDに置き換え、調光やセンサーを試すことです。
ぱっと変えて、毎月の明細で静かな達成感を積み上げていきましょう。

  • この記事を書いた人

Ken

2000年からWEB制作を開始し現在は会社員でWEBクリエイターとして勤務。 デジタルガジェット、WEB技術、投資、ライフハックに興味があり現在複数のブログを運営中

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