生活・趣味

レゴ・細かいパーツをなくさない仕切りケース術

子どもの足元から「カチッ」と小さな音、夜中に踏んで「イタッ」となる前にできる対策があります。
レゴの細かいパーツは、遊ぶたびに机から床、床からソファの隙間へと旅に出がちです。
とはいえ高価な専用収納を買わなくても、仕切りケースを使えば「なくさない」「すぐ見つかる」「片づけが続く」を同時に叶えられます。
本稿では、百均やホームセンターで手に入るケースを中心に、サイズの選び方、ラベリング、運用ルールまでを実践的に解説します。
作る前の準備と片づけの手間が半分になり、組み替えのスピードも上がるはずです。
カチャリとフタを閉めれば、そのまま持ち運びも可能です。

仕切りケースを選ぶ基準

ケースの種類と向き不向き

仕切りケースは大きく「固定仕切り」「可動式仕切り」「引き出し型」に分かれます。
固定仕切りはマス目がズレず、持ち運びに強いのが利点です。
一方でパーツの種類が増えると再配置しにくい弱点があります。
可動式仕切りは仕切り板をスライドしてマスの大きさを変えられるため、コレクションの増減に柔軟です。
ただしフタの精度が低い製品だと、振動で仕切り板の下をパーツがくぐって混ざることがあります。
引き出し型は卓上に据え置きで、上から見渡せて作業性が高いのが特徴です。
とはいえ持ち運びには不向きなので、据え置き+持ち出し用トレーの併用が現実的です。

1マスの内寸と深さの目安

探しやすさは「内寸」と「深さ」でほぼ決まります。
1×1プレートやチーズスロープなど極小パーツが中心なら、1マスは内寸35〜50mm角が扱いやすいです。
このサイズなら指先やピンセットでつまみやすく、色も見分けやすいからです。
深さは20〜35mmが目安です。
深すぎると底のパーツが埋もれて探しにくく、浅すぎると持ち運び時に飛び越えて混ざります。
基準として、立て気味に傾けてもパーツが仕切りを越えない深さを選びます。
購入前にフタを閉め、ケースをそっと傾けて「シャカシャカ」テストをすると安心です。

フタの精度とロック

小さなパーツほど微小な隙間から移動します。
ロックは両側ラッチで、フタと本体が平行に密着する構造が望ましいです。
フタのたわみが大きいと中央部が浮き、隣のマスにパーツが回り込みます。
店頭なら、光にかざしてフタと仕切りの接点にすき間がないかをチェックします。
持ち運び前提ならパッキン付きや段差で噛み合うタイプも有効です。
とはいえ完全密閉は重く高価になりがちなので、用途に応じて妥協点を決めましょう。

透明度・視認性・積み重ね

透明なケースは一目で中身が分かり、取り出しミスが減ります。
ただし透明度が高いほどキズが目立つ場合もあるため、上面だけ透明で側面は半透明のものも実用的です。
積み重ね前提なら四隅にスタッキング用のリブが付いた製品を選びます。
縦揺れでズレないので地震や持ち運び時の安心感が高まります。

ソートの設計図を先に決める

はじめは「色ざっくり×形ざっくり」

最初から細かく分けすぎると、片づけが苦行になります。
導入期は「色を3〜5群」「形を3群」のマトリクスが続けやすいです。
色は「暖色系」「寒色系」「白・黒・グレー」「透明」「その他」。
形は「プレート類」「ブロック・タイル」「特殊・アクセサリ」。
この12〜15マスで運用し、足りなくなった領域を分割していきます。
「まずは大きく、あとから細かく」が挫折しない鉄則です。

1,000パーツを超えたら中級ソートへ

パーツが増えたら、形優先の分類が有効です。
例として「プレート」「タイル」「スロープ」「クリップ/バー」「ヒンジ」「ラウンド」「モディファイド」「テクニック(ピン/アクスル/ギア)」のように、手の動きに沿った分類にします。
色は白黒グレー、原色、アースカラー、透明の4群程度で束ねます。
この方法は同形状を高速に拾えるため、組み替えのテンポが上がります。

アクセサリ・特殊パーツの扱い

ミニフィグの手持ち品や動物、印刷タイルなどは「宝箱」的にまとめた方が心理的満足度が高まります。
ただし混在すると探しづらいので、ミニジップ袋で内袋化し、同じマスに入れて“二層管理”すると迷子を防げます。
透明パーツは光の反射で見失いやすいため、白い紙を底に敷いたマスに集約すると視認性が改善します。

使う頻度別の二層管理

作業中は浅いトレー、長期保管は深めのケースにしまう二層運用が効率的です。
机上には「今日使うものだけ」を乗せるスリムトレーを用意し、作業終了時に本宅の仕切りケースへ戻します。
頻出パーツは“常備マス”を作ると、毎回の探索がゼロに近づきます。

100均&ホームセンターで実現する仕切りケース術

可動式タックルボックスを軸にする

釣り具コーナーのタックルボックスは、仕切り板の枚数が多く、フタのロックが強めです。
深さ30mm前後を選べば極小パーツも暴れにくく、マスの拡張もしやすいです。
本体1つに対して、予備の仕切り板を別途買っておくと、後からの再配置がスムーズです。
持ち運び用に同規格を2〜3段スタックしてもズレにくい設計が多いのも利点です。

ビーズケース+ミニジップ袋の二重化

ビーズケースは1マスが小さめで、色の細分化に向きます。
ただしフタの密着が甘い製品もあるため、同色の極小パーツはミニジップ袋にまとめてからマスに入れる二重化が安心です。
袋の口を1cmだけ折り返して入れると開閉が素早く、静電気でくっつくのも避けられます。

名刺ケース・カードケースを内箱として活用

大きなマスの中に名刺ケースやカードケースを「内箱」として入れると、可変容量の小部屋を簡単に増設できます。
イベントや旅行で持ち出す際は、必要な内箱だけ抜き出して薄型ポーチへ移すだけで準備完了です。
内箱のフタに簡易ラベルを貼れば、帰宅後の復帰も迷いません。

引き出し小物収納+フォームの静音化

据え置き派には、浅い引き出し型の小物収納が効率的です。
引き出し底に薄いEVAフォームやフェルトを敷くと、開閉時の「カラカラ」音が減り、透明パーツの傷も防げます。
引き出し正面には色帯シールを貼って、段ごとに色群を割り当てると、視線移動が短くなります。

ラベリングと言語化で“探す時間ゼロ”へ

ラベルの作法と略号ルール

ラベルは「形→色→補足」の順で記載すると、一覧で迷いません。
例「PL 白黒」「TL 透明」「MOD クリップ」。
略号は家族で統一し、ケースの表紙に凡例を貼っておきます。
テプラやピータッチの6〜9mm幅が仕切りケースのフチに収まりやすいです。
紙ラベルは角がめくれて汚れるため、透明フィルムを重ねて保護します。

色記号とドットシール

子どもが読む前から使える工夫として、色群にドットシールを対応させます。
「赤系=赤ドット」「青系=青ドット」のように、マスのフチと内袋の両方へ貼ります。
視覚サインが重なるほど、戻し間違いが減ります。
透明パーツには白ドット+“透”の一文字を添えると混乱が少なくなります。

QRで在庫表と場所をリンク

在庫の偏りが気になったら、簡単なスプレッドシートを作り、ケースのフタにQRを貼ります。
「ケースA-3に白タイル多め」「ケースB-2にテクニックピン不足」など、ざっくりメモで十分です。
在庫を見てから作る発想に切り替わると、ムダ買いも抑えられます。

子ども向けピクトグラム

文字より形で覚える時期には、パーツのシルエットを印刷してラベルにします。
スマホで上から撮影し、白黒で輪郭を強調して貼るだけで効果は十分です。
かな+漢字の併記にすると、小学生以降も意味がつながります。

遊ぶ前提の運用ルール

セット開封から片づけまでの動線設計

新しいセットを開けたら、最初に「作業トレー」「ゴミ箱」「回収トレー」を並べます。
内袋は番号ごとに仕切りケースの一時マスへ入れ、完成後に余りパーツだけ常設マスへ移す流れを固定化します。
箱や説明書は別のファイルボックスへ。
作る前に片づけ先が決まっているほど散らかりません。

「5分リセット」タイマーと回収トレー

終わりの合図はキッチンタイマーで5分。
鳴ったら手を止め、机上のパーツを回収トレーにまとめ、仕切りケースへ戻します。
この“ルーティンの見える化”が、翌日の再開を楽にします。
トレーは角が立った薄型タイプが、パーツをすくいやすくて便利です。

落としにくい作業マットと掃除ツール

ダークグレーの作業マットは白や透明パーツのコントラストが高く、見失いにくいです。
柔らかい素材なら転がりが止まり、床への落下も減ります。
掃除は粘着クリーナーだけでなく、隙間用ノズルのハンディ掃除機を用意すると、ソファ下の“行方不明”に即応できます。
吸い込んだパーツはゴミパックから回収しやすいよう、別袋をセットしておくと安心です。

持ち運び・旅行用の薄型ケース

外出先で遊ぶときは、厚さ30mm程度の薄型ケースに「ベースプレート小」「お気に入り色」「ミニフィグ」「道具」を厳選して入れます。
フタ裏に小さなメモを貼り、帰宅チェックリストを作っておくと、戻し忘れが激減します。
衝撃対策として、マスの上に薄いフォームシートを1枚噛ませるとジャラつきが抑えられます。

プロっぽい応用編

ビンナンバリングで場所を言語化

棚やケースに通し番号を振り、ラベルに「A-3」「B-1」のように記すと、家族間で“言葉が通じる”ようになります。
探す人と片づける人が違っても迷いません。
スプレッドシートやメモ帳にも同じ番号を記録しておくと、配置替えの際に混乱しません。

補充フローの型

余りが出たパーツは一時箱に入りがちです。
そこで「一時箱→週末に仕切りへ→不足はメモ」の三段フローを固定化します。
メモはスマホの定型リストにし、「黒タイル2×2 20枚」など数量を添える癖をつけると、買いすぎ防止に直結します。

テクニック系は別ボックス

ピン、アクスル、ギアは形状が似ていて長さ違いでの取り違えが起きやすい領域です。
ここは思い切って専用ケースに独立させ、「長さ」「色」「種類」を交差で分けます。
ピンはフリクションの有無で色が異なることが多いので、色別にまとめると組み立て中のミスが減ります。

プロジェクトごとの現場箱

オリジナル作品を作るときは、当該プロジェクトだけの“現場箱”を編成します。
必要な色と形をあらかじめ移しておき、完成後に常設の仕切りケースへ戻す方式です。
期間限定の箱を作ることで、常設区画を乱さずに集中して作業できます。

よくある失敗とリカバリー

ケースが重くなりすぎる

大箱に詰め込みすぎると、出すのが億劫になって使われなくなります。
2kgを超えたら分冊化のサインと考え、カテゴリごとに箱を割るか、ワゴンに載せて移動を軽くします。
持ち運ぶのが楽になると、片づけも自然に再開します。

分けすぎて運用破綻

細分化は気持ちがよい反面、戻すコストが跳ね上がります。
週末に「使用頻度の低いマス」を統合し、ラベルを刷新してスリム化しましょう。
ルールは“今の自分に優しいか”で判断します。

子どもが戻せない

文字ラベル中心だと、子どもは迷います。
ドット色、ピクトグラム、かなの併記で“戻しやすい”環境に変えます。
片づけは正解が一つでなく、合格点の幅を用意するのが継続のコツです。

バラ撒き事故への初動

床に散乱したらまず写真を撮り、回収前の“証拠”を残します。
これで不足が出たときに、どの色や形が失われたか推定しやすくなります。
回収は色の濃淡ごとにトレーを分け、最後に仕切りケースへ戻します。
以後は持ち運び時にフォームシートを敷く、フタのラッチを点検するなど再発防止策を添えます。

小さな工夫リスト

ミニ引き出しのストッパー

子どもが勢いよく引いて中身をまき散らす事故は頻出です。
100均の後付けストッパーや耐震ジェルを一か所に仕込むだけで、飛び出しを抑えられます。

フタの開閉音を静かに

夜の作業音が気になるなら、フタと本体の当たり面に極薄のシリコンバンパーを貼ります。
「パタン」が「コトン」に変わり、家族のストレスが減ります。

透明ケースのくもり対策

細かな擦り傷は重曹ペーストでやさしく磨くと目立たなくなります。
最後に中性洗剤で洗ってから完全乾燥させ、静電気防止スプレーを軽く吹くとホコリ付着も減ります。

ペット・乳幼児の誤飲対策

遊ぶ部屋を限定し、ドアにベビーゲートを設置します。
床置きのケースは禁止し、必ず机上か棚上へ。
片づけ途中でもフタを閉める“中間閉まり”の習慣をつけると安全性が上がります。

まとめ

仕切りケースの力は「なくさない」だけにとどまりません。
探す時間が減って創作のテンポが上がり、片づけのストレスも軽くなります。
まずは可動仕切りのタックルボックス一つと、ミニジップ袋、細幅ラベルの三点から始めましょう。
色×形のラフな分類、5分リセット、視覚ラベルの三本柱を回せば、今日から迷子パーツは激減します。
完璧主義に陥らず、続けやすいルールに微調整し続けることが何よりのコツです。
さあ、フタを開ける音とともに、次の作品づくりをもっと軽快に進めていきましょう。
あなたの“探さない時間”は、必ず増やせます。

  • この記事を書いた人

Ken

2000年からWEB制作を開始し現在は会社員でWEBクリエイターとして勤務。 デジタルガジェット、WEB技術、投資、ライフハックに興味があり現在複数のブログを運営中

-生活・趣味
-