赤ちゃんの成長はあっという間で、気づけばクローゼットが「今のサイズ」「ちょっと先」「もう小さい」の服でごちゃつきがちになるものだ。
とはいえ、月齢ごとに“サッ”と入れ替えられる仕組みさえ作れば、朝の身支度は驚くほど軽くなる。
本稿では、0〜24カ月を目安にしたサイズ移行のロードマップと、週10分で回せる入れ替えルーティン、家族や保育園と情報を共有するコツまで具体的に解説する。
使う道具も、透明ボックスやジッパーバッグ、マスキングテープなど手に入りやすいものが中心だ。
読後には「次のサイズをどこに置くか」「小さくなった服をどう手放すか」まで迷いが消え、クローゼットが赤ちゃんの成長に合わせて自然に回り始めるはずだ。
全体設計を決める
月齢×サイズのロードマップを描く
最初に、おおまかなサイズ移行の目安を紙かメモアプリに書き出す。
0–3カ月は50–60、3–6カ月は60–70、6–9カ月は70、9–12カ月は70–80、12–18カ月は80、18–24カ月は90が一般的な目安だ。
体格差や季節で前後するため、常に「今」「次」「手放す」の3カテゴリで考えるとブレにくい。
肌着とロンパース、上下別ウェア、アウター、小物(スタイ・靴下・帽子)で列を分け、各サイズの必要枚数をざっくり記すだけで十分だ。
この表は入れ替えの指針になり、買いすぎや不足を防ぐ。
3つのゾーンで迷いをなくす
クローゼットは「今着る」「次に着る」「手放す」の3ゾーンに分ける。
今着るは最前列か一番取りやすい段に置き、1アクションで取れる配置にする。
次に着るは上段または奥に置き、サイズタグと月齢ラベルをはっきり表示する。
手放すはフタ付きボックスを1つ常設し、入れたら当月末に仕分けるルールにする。
この3ゾーンがあれば、朝に迷う時間とストレスが大幅に減る。
週10分のルーティンに落とし込む
入れ替えの習慣化には、毎週決まった曜日に10分だけ「試着チェック→ボックス移動→洗濯回収」の順で行うのが効果的だ。
スタイや靴下の伸び、股スナップが苦しそうか、袖丈が手の甲を越えていないかを素早く確認する。
合わなくなっていたら、その場で「手放す」ボックスへ移動する。
余力があれば翌月サイズの確認も1分だけ行い、足りないカテゴリに印をつけておく。
計画は細かすぎないほうが続きやすい。
最低限の収納ツールと費用目安
透明ボックス(A4〜衣装ケースサイズ)を3〜6個、ジッパーバッグLサイズを10枚、仕切り板かハンガー仕切り、ラベル用のマスキングテープと油性ペンが基本だ。
必要に応じて浅型カゴ、引き出し用仕切り、ベビーハンガー20本前後を追加する。
費用はすべて新調しても3,000〜8,000円程度で収まることが多い。
透明にこだわる理由は、中身が一目でわかり“探す時間”をゼロに近づけるためだ。
蓋つきはホコリ対策だけでなく「手放す」ボックスの存在を家族に明確に伝える効果もある。
月齢別・入れ替え実践ガイド
0–3カ月:最小限で回す
新生児期は洗濯頻度が高く、肌着とロンパースが中心になる。
短肌着・長肌着またはコンビ肌着を計6–8枚、前開きロンパースを4–6枚、スタイは3枚でスタートする。
おむつ替えの回数が多いので、股スナップの留めやすさと生地の柔らかさを優先する。
「次に着る」に70サイズの前開きロンパースを2枚だけ用意し、急な成長スパートに備える。
退院後1週間で洗濯サイクルが掴めたら、過剰分を「手放す」へ一時退避する。
3–6カ月:首すわり期の動きに対応
うつ伏せや寝返りが増え、前開きからかぶりタイプに移行しやすい。
かぶり肌着5–6枚、ロンパース4枚、レッグウォーマーや薄手パンツを2–3本用意すると温度調整が楽になる。
スタイはよだれの量で必要枚数が変わるため、週の途中で足りなければ追加購入ではなく洗濯頻度で調整する。
「今」の引き出し手前に“汚れても許せる服”を1セット置くと、外出前のアクシデントにも即対応できる。
6カ月目前で70サイズの上下別ウェアを「次に着る」に3セット準備しておく。
6–9カ月:おすわり期は上下別を試す
座位が安定し、ずり這いが始まる頃には上下別ウェアが便利になる。
トップス4–5枚、パンツ3–4本、ロンパースは寝るとき用に2枚残し、スタイは吸水厚手へ切り替える。
膝が擦れやすいので、ひざ当て付きや柔らかいデニム風パンツなど“丈夫で軽い”を選ぶ。
ここでハンガー仕切りに「70/トップス」「70/ボトムス」と分けると朝の選択が早い。
サイズアウトした60は「手放す」ボックスへ移し、月末に保管・譲渡・売却の三択で仕分ける。
9–12カ月:つかまり立ちで丈感を重視
立位が増えると、股上が浅いパンツや丈の短いトップスは動きを妨げる。
80サイズを中心に、トップス5枚、パンツ4本、薄手アウター1枚、パジャマ2セットを「今」に配置する。
ボタンよりもスナップやジッパーの開閉が速く、朝の支度時間が1〜2分短縮される。
靴下は滑り止め付きに入れ替え、玄関に予備を1足常備する。
この時期に帽子のサイズも見直し、来季用のワンサイズ上を「次に着る」に1つだけ忍ばせるとシーズン頭で慌てない。
12–18カ月:歩行安定期は耐久重視
歩き始めは転倒や外遊びが増え、膝・肘が汚れやすい。
トップス6枚、パンツ5本、薄手と厚手のアウターを各1枚、保育園通園なら通園用パジャマ2セットを用意する。
名前付けが必要な家庭は、洗濯表示タグにフルネームのスタンプを統一ルールにすると5分で一括管理できる。
「次に着る」には90サイズのボトムを2本だけ入れて、ベルトやウエストゴムの伸び具合を毎週チェックする。
小さくなった帽子・ミトン類はセットで袋詰めし、保管か譲渡の判断を月末に回す。
18–24カ月:自分で選びたがる時期の工夫
この頃から子どもが色や柄の好みを主張しはじめる。
取り合いを防ぐには「選択肢は二者択一」が効くため、ハンガーに“今日の候補”を2セットだけ前に出す。
トップス6枚、パンツ5本、ワンピースやサロペットなど“特別枠”を1–2着持つと本人の満足度が高い。
「手放す」ボックスは子どもの目の届かない位置へ移し、思い出用だけは別のメモリーボックスに1着までと上限を決める。
次サイズはシーズン前後で調整し、90が小さければ100を1セットだけ先行配置する。
季節とサイズのズレを吸収する
レイヤリングの基本方針
季節の変わり目は、半袖+薄手カーディガン、長袖肌着+スウェットなど重ね着で温度差を吸収する。
各サイズに“中間の羽織り”を1枚用意しておくと、急な冷え込みでも買い足さずに済む。
アウターは月齢よりも体格で選び、袖は一折りできる余裕があると長く着回せる。
寝具側で調整する発想も有効で、スリーパーを1枚常備しておけば夜間の体温管理が安定する。
レイヤリングは洗濯点数が増えるため、乾きやすい素材を優先する。
突発的なサイズアウトへの備え
旅行や成長スパートで一気にサイズが変わることは珍しくない。
「次に着る」から一軍に即移行できる“万能セット”(トップス1、パンツ1、靴下1)を透明袋で常備すると安心だ。
靴は特に変化が速いので、インソールを抜いて足を乗せるだけで測れる定規を玄関に貼っておく。
合わなかった靴は“外遊び用”のラベルを付けて短期延命し、次の週末に買い替え判断をする。
上限を決めると無駄が減り、靴は常時2足までをルール化すると管理が簡単になる。
在庫の持ちすぎを防ぐ購入ルール
セールに強いのは「サイズをまたいで買いすぎない」姿勢だ。
来季用は最大で2アイテム、種類はアウターとボトムのみに限定する。
トップスは汚れやすく好みが変わるため、近い時期に買うほうが失敗が少ない。
買ったらすぐに「次に着る」へ移し、ラベルに購入月と想定着用シーズンを書き添える。
期限が可視化されると無意識に使い切ろうとする力が働く。
だれでも迷わないラベリング術
ラベルは「サイズ/カテゴリ/枚数」で書く
例として「80/トップス/5枚」「90/パンツ/2本」のように、数字→品目→数量の順で統一する。
視線は左から右に流れるため、最初にサイズが来ると一瞬で判断できる。
在庫を補充したら枚数だけ書き換えればよく、作業時間が短くなる。
マスキングテープに油性ペンで十分だが、濃色ボックスには白のペンを使うと読みやすい。
書き換えは週1回のルーティンの最後に1分で行う。
色分けと位置固定で家族を巻き込む
今は緑、次は青、手放すは赤など色の意味を決め、家族グループチャットに写真で共有する。
ラベルの位置はボックス右上など“家の標準”をつくると、誰が片付けても迷わない。
ハンガー仕切りは「70」「80」「90」とサイズだけを大きく書き、カテゴリはバーの左右で分ける。
色と位置を固定すると、パパや祖父母でも5分で戦力になれる。
保育園用の予備は玄関近くのサブボックスに色を合わせておくと、持ち出し忘れが減る。
サンプル文言テンプレート
「今着る」トップス用は「今/80/トップス/平日用3+休日本2」。
「次に着る」パンツ用は「次/90/パンツ/週末試着」。
「手放す」ボックスは「手放す/今月末仕分け/譲る候補:いとこA」。
テンプレをラベルの下部に薄字で印刷しておけば、書き直すときに迷わない。
家族で共有する際は、同じ言葉を使い続けることが混乱防止の近道だ。
洗濯・衛生・素材ケアのコツ
洗濯は「ネット分け」と「前処理」で回す
小さな服は絡まりやすいため、肌着・スタイ・靴下をメッシュネットに分けて入れる。
ミルク汚れや離乳食のシミは、ぬるま湯で軽く叩き洗いしてから本洗いに回すと落ちやすい。
タグに“汚れ前処理済”と洗濯バサミを挟んでおけば、家族が続きの洗濯を担当しても迷わない。
乾きやすい素材を一軍にすると回転率が上がり、枚数を減らしても回せる。
干す場所は肩幅に合うミニハンガーを使うと型崩れが少ない。
素材別の扱い分け
ガーゼは縮みやすく、ネット+弱水流でやさしく洗う。
フリースは毛玉が出やすいので、裏返し+ネットで摩擦を減らす。
ウール混はベビー用洗剤の中性タイプで押し洗いが安心だ。
スナップ周りは金具が引っかかるため、畳む前に留めてから洗うと他の衣類を傷めにくい。
乾燥機を使う場合は、表示タグで低温可を確認してから短時間で仕上げる。
ストックの衛生管理
「次に着る」ボックスの中身は防虫シート1枚と乾燥剤を入れておく。
季節の変わり目に一度だけ天日干しをして、収納前の湿気を飛ばす。
保管袋は清潔な状態で使い回し、使い終わったら内側をアルコールで軽く拭くと安心だ。
譲渡予定品は無香料洗剤で洗い直し、香りの強い柔軟剤は避けると相手の好みに左右されない。
清潔さは見た目以上に信頼につながる。
手放し・循環させる
月末30分の仕分け会
家族で月末に30分だけ集まり、「手放す」ボックスを開けて保管・譲渡・売却の三択を決める。
各アイテムに「思い出」「実用」「不要」のタグを仮置きし、写真を撮ってから判断すると迷いが減る。
思い出は最大1着+小物2点までなど上限を設定する。
売却はシミや毛羽立ちの状態を3段階で自己評価し、SかAのみ出品するルールにすると工数が減る。
譲渡先が決まっていない場合は、次回の仕分けまで“保留”袋で1カ月だけ置いてから最終決定する。
出品・譲渡の実務ポイント
フリマ出品は「サイズ/使用月齢/傷の位置/実寸」の4点を写真と合わせて記載する。
同サイズ3点を“まとめ売り”にすると梱包の手間が半分になる。
譲渡はパッキングを簡素にし、透明袋に「80トップス×2/来季春」と書いて渡すと相手も管理しやすい。
おさがりの受け取りは、最初に「我が家の標準サイズ表」を共有しておくとミスマッチが少ない。
循環が回ると家計も収納も軽くなる。
思い出の残し方を仕組みにする
退院着や初節句の服は、A4ボックスに台紙とともに平置きで保管する。
身長・体重・月齢のメモを付箋で添え、撮影してクラウドに保存すれば場所も取らない。
布の一部を5×5cmにカットし、アルバムに貼る“生地サンプル法”は省スペースで眺めやすい。
将来のリメイク予定があるなら、無地と柄を別袋に分けると制作時の選択が速い。
思い出枠に上限を設けるほど、残したものの価値がはっきりする。
家族・保育園と共有する
家の“標準”を1枚に
「サイズ表」「ラベルの意味」「保育園の持ち物テンプレ」をA4一枚にまとめ、クローゼット扉裏に貼る。
QRコードで同内容のデジタル版に飛べるようにしておくと、外出先でも確認できる。
祖父母が手伝う日は、この紙を見れば準備が完了する。
標準化は属人化を防ぎ、引き継ぎがストレスなく回る。
忙しい朝ほど“紙一枚”の安心感が効く。
チャットでの連絡テンプレ
保育園への補充連絡は「園名/子名/不足品/サイズ/持参日」を定型文で送る。
家族内は「次サイズ不足→トップス2、パンツ1」のように矢印で書くと短くても伝わる。
出品や譲渡もテンプレを流用し、写真+定型文で数十秒で案内できる。
テンプレはスマホの定型文登録機能に入れておくとさらに速い。
連絡の型があると、迷いと打ち間違いが減る。
デジタルトラッキングの最小構成
スプレッドシートに「カテゴリ/サイズ/枚数/状態/場所/更新日」の5列だけを持つ。
更新は週10分のルーティンの最後に行い、枚数と場所を数字で入力する。
色で在庫過多を可視化し、トップスが7枚を超えたら黄色、10枚で赤など閾値を決める。
写真列を付ける場合は1カテゴリ1枚に限定し、細かな個体差は追わない。
管理は“粗く正確に”が続けるコツだ。
トラブルシューティングQ&A
よくある悩み1:収納がとにかく狭い
引き出し1段しかない場合は、縦置きのファイルボックスを3つ入れて「今」「次」「手放す」を再現する。
上に積まず“立てる”ことで取り出し速度が上がる。
ベッド下に浅型ケースを1つ置き、季節外はそこへ退避させる。
ハンガーは最大10本までに絞り、残りは畳んで立てて入れる。
狭さは“層にしない設計”で解決する。
よくある悩み2:お下がりが大量に来る
届いたらまずサイズと季節で粗く分け、「次に着る」へ入る分だけを残し、残りは“保留”ボックスへ1カ月だけ待機させる。
その間に重複するカテゴリを把握し、不要分は早めに譲り直す。
感謝の気持ちは“写真+一言”で早めに返すと関係が円滑に続く。
保留期限を決めることで、家の在庫が雪だるま式に増えるのを防げる。
もらう力より手放す力が家を守る。
よくある悩み3:子どもが服を嫌がる
縫い目やタグの当たりが原因のことが多い。
裏地が柔らかいもの、フラットシーマの縫製を選ぶと改善する。
朝機嫌が不安定な日は、前夜に“候補2セット”を見える位置に吊るし、本人に選ばせる。
好きな色を一つ混ぜておくと、着替えの主導権を感じられてスムーズだ。
不快要因を一つずつ潰すのが近道だ。
よくある悩み4:夫婦で片付け方が合わない
言葉の定義が違うと認識がズレるので、「トップス=頭からかぶる服」「パジャマ=寝るとき専用」など家の辞書を作る。
片方が完璧主義だと続かないため、週10分のルーティンだけ共通目標にする。
成果は“朝の支度が5分短くなった”など時間で共有すると納得が得られやすい。
褒め言葉のテンプレも用意し、続けた行動を可視化すると定着する。
仕組みは人に合わせて微調整すればいい。
実例レイアウトと動線設計
1LDK・収納少なめのモデルケース
寝室のクローゼット半分をベビー用に割り当て、下段に「今」、中段に「次」、上段に「手放す」を置く。
ベビーベッド横には浅型カゴを2つ置き、左を肌着、右をスタイと靴下に固定する。
洗濯機から寝室までの通路に一時置きトレーを設け、乾いた衣類は必ずここを経由させてから仕分ける。
導線を一筆書きにすると、片付けの“行ったり来たり”が消える。
2LDK・夫婦交代制のモデルケース
リビング収納に「今」を集約し、寝室に「次」と「手放す」を置く二拠点方式が有効だ。
平日はリビングで完結させ、週末に寝室で入れ替えと在庫調整を行う。
当番表は冷蔵庫に貼り、月水金は片方、火木土はもう片方と細かくせず「週末は二人で」だけ決める。
役割が曖昧だと滞るため、分担を“場所”で区切るのがコツだ。
車移動が多い家庭のモバイルキット
トランクにA4ボックスを一つ常駐させ、トップス1、パンツ1、スタイ1、靴下1、ビニール袋2を入れておく。
中身は月1回の給油日に入れ替え、サイズが合わなくなったら帰宅後すぐ「手放す」に回す。
車載キットのラベルは「車/今/80一式」と大きく書くと家族誰でも補充できる。
外での“あっ”に強い仕組みが安心を生む。
予算別・買い足し戦略
3,000円で整える最小構成
透明ボックス2、メッシュ袋3、マステと油性ペンのセットがあれば回せる。
「今」は引き出し、またはファイルボックスで代用し、ボックスは「次」と「手放す」に充てる。
不足カテゴリは紙のサイズ表で可視化して、買い足しは本当に足りた分だけに限定する。
道具よりルールが仕組みを支える。
5,000〜8,000円で時短を加速
ハンガー仕切り、引き出し用仕切り板、薄型カゴを追加する。
“候補2セット”を前出しできるスペースが生まれ、朝の選択が秒で終わる。
防虫シートと乾燥剤を定位置にして、季節保管のストレスも軽減できる。
小さな投資で迷いが目に見えて減る。
1万円超で長期運用まで見据える
可動棚やスタッキングできる衣装ケースを導入し、ラベル面を前にして配置する。
上段にアーカイブ、下段に日常在庫を置く“上下分離”は、2人目以降の再利用でも強い。
アプリ併用ならバーコードラベルを貼り、入出庫を撮影で記録すると管理が楽になる。
初期コストはかかるが、買い直しを防げば回収は早い。
ライフイベント別の入れ替え術
保育園入園前後の一括整備
入園1週間前に「園用一軍」を別ゾーン化し、トップス5、ボトム4、パジャマ2、予備袋2をひとまとめにする。
名前付けは洗濯表示タグの同一位置に統一し、補充袋は玄関のサブボックスに待機させる。
月齢が上がると持ち物が変わるため、園だよりの更新日に“園ゾーン棚卸し”を5分だけ差し込む。
小さな更新を定期化すると、バタつきが消える。
旅行・帰省のパッキング
スーツケースの蓋側を「次」、底側を「今」に見立てて入れると現地でも管理が崩れない。
日数×1.2倍の枚数を目安にし、汚れ物は圧縮袋で分離する。
帰宅後は“汚れ袋ごと洗濯機前に直行”をルール化し、残りは棚に戻すだけにする。
非日常でもいつもの順番が時短になる。
きょうだい誕生での共有
サイズ表に“共用可”列を追加し、性別や好みを越えて使える無地・ベーシックを識別する。
共用ラベルは黄色など第三の色で統一し、クローゼット内で一目で分かるようにする。
入れ替え会は上の子の参加イベントにして、選ぶ体験自体を楽しみに変える。
主体性が混乱を上回れば運用は楽になる。
チェックリストとテンプレ集
週10分ルーティンの型
開始1分で「今」の試着ポイントを3点だけ確認する。
残り4分でサイズアウトを「手放す」に移し、2分で「次」から補充、2分でラベル枚数を更新、最後の1分で翌週の不足をメモする。
この順番が固定化されると、考えるコストがほぼゼロになる。
“型がある安心”は忙しい時ほど効く。
月末仕分け会の進め方
全アイテムを3分で机に広げ、写真を1枚撮る。
10分で保管・譲渡・売却を仮決めし、5分で売却候補だけ状態確認をする。
残りは譲渡用の簡易パッキングと、保留袋の期限ラベルを更新する。
タイマーを使い、だらだら続けないのがコツだ。
出品テンプレ文と撮影
本文は「サイズ/使用月齢/着用回数の目安/シミや毛羽立ちの位置/実寸」を一文ずつ記す。
撮影は全体正面、タグ、気になる箇所のアップ、着丈をメジャーで測る写真の4枚で十分だ。
背景は白い布の上に固定し、毎回同じアングルにする。
“同じフォーマット”は信頼に直結する。
家族チャット定型文
補充のお願いは「次サイズ不足→トップス2・パンツ1、週末購入希望」と短文にする。
園連絡は「園名/子名/不足品/サイズ/持参日」を定形にして、前回文面を使い回す。
譲渡連絡は「80トップス2点、春向け、状態A、いつ渡そう?」のように要点だけに絞る。
文字数より“揃っていること”が大切だ。
失敗例から学ぶ改善策
ありがち1:同サイズで色違いを大量買い
見た目は統一できるが、汚れの偏りで循環が崩れる。
色は最大3色に抑え、濃色と淡色を混ぜるとシミ管理が楽だ。
買う前にサイズ表の“上限”セルを確認し、超える場合は入れ替え会まで待つ。
待つ技術が在庫を守る。
ありがち2:ラベルが読みにくい
手書きが薄い、位置がバラバラだと家族が迷う。
“右上固定・太字マーカー重ね”を新ルールにして、既存分も月末に張り替える。
濃色ボックスは白ペン、半透明には黒太字でコントラストを確保する。
読みやすさは速度に直結する。
ありがち3:季節外れ在庫が山積み
セールで買った来季用が埋もれがちだ。
「次」のボックスに購入月と想定シーズンを書き、季節が来たら最前列に自動で上げる運用を決める。
期限切れは月末会で“譲渡優先”に切り替える。
活かせない在庫は早めに回すほど価値が残る。
セーフティと時短の細ワザ
夜間おむつ替えの動線
ベビーベッド横に暗い場所でも見える蓄光ラベルを貼り、肌着とおむつの場所だけは手触りで分かる配置にする。
スタイは一番上、肌着は右、ボトムは左と“触って分かる並び”を固定化する。
夜間は視覚情報が頼れないため、触覚導線が効く。
静かな準備が睡眠の質を守る。
玄関の予備セットで外遊びに即対応
玄関棚に“外用一式”を常備し、帽子、上着、薄手ブランケットをまとめて吊るす。
靴のサイズチェックシートを貼り、週末に線を足指先に合わせて確認する。
合わなければその場で“外遊び用”に格下げし、次回買い物のメモに入れる。
出発5分前の迷いが消える。
防災を見据えた非常用パック
リュックに上下各1、肌着2、スタイ2、オムツ1日分、ビニール袋、ウェットティッシュを入れる。
ラベルは「防災/80一式/賞味期限:◯月」とし、食品入替日に一緒に更新する。
非常時ほど“いつもの順番”が支えになる。
平時から同じ語彙と配置で準備しておく。
仕組みを続けるモチベーション設計
目に見える成果を記録する
朝の支度時間を計測し、週の平均をメモアプリに残す。
5分短縮できた週は家族で小さなご褒美デーを設定する。
写真で“整った棚”を残しておくと、崩れたときの復元が速い。
達成の可視化が継続の燃料になる。
子どもの“選ぶ力”を伸ばす
二者択一のハンガーを毎晩セットし、翌朝は本人に色か柄を選んでもらう。
拒否が強い日は“選ばない権利”も用意して、昨日と同じセットに戻す選択を入れておく。
成功体験が積み上がるほど、支度の主導権争いは減っていく。
小さな自立が親の時短にもつながる。
ケーススタディ:1週間の運用実録
月〜金の回し方
月曜は洗濯後に“候補2セット”を前出しし、火曜はスタイ在庫の補充だけ行う。
水曜は「今」の厚手アイテムを洗濯日に合わせて前夜に前出しし、木曜は「次」から週末試着分を1セット移動する。
金曜は“月末会”に備えた写真撮影と、ラベルの枚数更新を1分で済ませる。
小さな習慣が大きな混乱を避ける。
週末のメンテナンス
土曜の午前に試着、午後に出品用の撮影、日曜に譲渡パッキングを行う。
余白時間は子どもと“柄選びミニ会議”で来週の候補を決める。
翌週の天気予報をざっくり見て、羽織り物の前出しだけしておく。
先回りの一手で、週明けが軽くなる。
まとめ
月齢別に入れ替えるクローゼット管理は、特別な収納家具よりも“迷わない仕組み”が肝になる。
「今」「次」「手放す」の三ゾーンと、週10分のルーティン、月末30分の仕分け会さえ回れば、家は自然と軽く整う。
サイズ表とラベルの標準化、そして家族で使う言葉の統一が、運用コストをぐっと下げる。
まずは透明ボックスとマステ、油性ペンの三点から始めよう。
次の週末、クローゼットの一段だけでいいので三ゾーンを作ってみてほしい。
“朝の支度が静かに短い”というご褒美は、思っているよりすぐ手に入る。