生活・趣味

フライパンひとつで主菜+副菜を同時に

忙しい日は「フライパンひとつ」で主菜と副菜を同時に仕上げられたら、洗い物も段取りも一気に軽くなります。
とはいえ、同じ器具で二品を並走させると、焦げや味移りが心配になるのも事実です。
本稿では、加熱の仕組みと温度帯の使い分けを土台に、失敗しにくい具体手順と味付け設計を紹介します。
ジュワッと香りが立つ瞬間を合図に工程をつなげるのがコツです。
必要な道具は家庭にある範囲で十分です。
アルミホイルやクッキングシートを仕切りとして活用すれば、魚の匂いと野菜の香りを分けつつ同時に火を通せます。
時短はもちろん、油の量や塩分もコントロールしやすく、栄養バランスも整います。
読後すぐ実践できる「段取りテンプレ」と「組み合わせ例」も用意しました。
今日の夕食から、フライパン一枚でスムーズに二品を完成させましょう。

フライパン同時調理の基本発想

なぜ同時調理が時短につながるのか

火口を一つに絞ると点火・予熱・後片付けの回数が減ります。
また、主菜で温まった油と水蒸気を副菜に転用できるため、加熱効率が上がります。
実のところ、家庭コンロは加熱の立ち上がりが遅めなので、予熱を一回で済ませると体感の時短効果が大きいのです。
スッと進む流れを作るには、加熱のピークを一度だけ作り、そこから弱めて保温帯を長めに使います。

フライパンの温度帯を区切って使う

丸いフライパンは中央が最も高温、縁ほど温度が下がります。
つまり中央に「焼き付けたい食材」、縁に「蒸し焼きや保温でよい食材」を配置すれば、同時に別の仕上がりを得られます。
とはいえ食材が動くと温度帯が崩れるため、最初に位置を決めてから極力動かさないのが安全策です。
カリッとさせたい主菜は中央で焼き目を付け、返したら縁へ寄せ、空いた中央に副菜を展開するのが定石です。

「焼き付け+蒸し焼き」の二刀流

水分が多い副菜は蒸気で素早く火を入れるのが得意です。
いっぽう主菜は直火面でメイラード反応を起こし香ばしさを作ります。
この二刀流を同時に走らせるには、主菜を焼き始めて脂が出たタイミングで副菜を投入し、少量の水とふたで蒸気を作ります。
ふわっと湯気が回ったら、主菜は弱火保温、副菜は短時間で仕上げます。

味移りを防ぐ仕切りのコツ

アルミホイルを幅10〜12cmほどに折って舟形にします。
縁を二重に折り上げると汁気が漏れにくくなり、甘辛だれや味噌だれを分離できます。
クッキングシートは焦げ付きやすい甘いソースの下に敷くと後片付けが格段に楽です。
カサッとした薄い仕切りでも、油跳ねと匂い移りは十分に和らげられます。

必要な道具と下ごしらえ

26cm+ふた+トングが黄金セット

家庭の2〜3人前なら直径26cm前後が扱いやすい大きさです。
ふたがあると蒸気を逃がさず、副菜の火通りが早くなります。
トングは返しやすく、食材の位置決めが正確になります。
パチンと軽く挟める強さのものが一つあるだけで、同時進行のストレスが減ります。

仕切り資材と簡易ラック

アルミホイルの舟形、クッキングシート、シリコンカップがあれば仕切りは十分です。
さらに金属製の丸網や小さなステンレスバットがあれば、主菜の上に浮かせて温野菜を同時蒸しにできます。
とはいえ道具を増やしすぎると管理が難しくなるため、まずはホイルとシートの二種類に絞るのがおすすめです。
サッと取り出せる場所に常備して迷いを減らします。

下味冷凍と5分マリネの使い分け

前日までに主菜を下味冷凍しておけば、解凍しながら焼けるため時短になります。
当日準備なら、塩を軽く振って5分置く簡易マリネで水分を引き出し、焼き色を付けやすくします。
副菜は切って塩をひとつまみまぶしておくと、加熱時の余計な水分が出にくく味が締まります。
キュッと締まる塩の効果で、短時間でも満足度が上がります。

同時調理の手順テンプレート

先に主菜スタート型

まずフライパンを中火で温め、油を薄く引きます。
主菜の表面を下にして中央に置き、動かさず1〜2分焼き付けます。
焼き色が付いたら返し、縁へ寄せて弱火にします。
ここで副菜を空いた中央に入れ、少量の水を回し、ふたをして蒸し焼きにします。
ジュッと一瞬音が強くなったら蒸気が回った合図です。
副菜が2〜3分で仕上がる食材のときに向きます。

先に副菜蒸し上げ型

水分が多い野菜や下茹でが必要な芋類を使うときは、先に副菜で蒸気を作ります。
フライパンに水を50〜80ml入れ、野菜を並べてふたをして中火で2〜4分蒸します。
水気がほぼ飛んだら野菜を縁に寄せ、油を足して中央で主菜を焼き始めます。
シャッと水気が引いた瞬間に油を入れると跳ねが抑えられます。
主菜の脂が回ったら、蒸し野菜に塩やバターで味を決めて同時に仕上げます。

交互ローテーション型

均一な焼き色が欲しいときは、30秒〜1分ごとに主菜と副菜の位置を交互に入れ替えます。
とはいえ入れ替えすぎると温度が落ちるため、入れ替えは最大3回までが目安です。
カチッとタイマーを短く設定し、動かすタイミングを固定すると失敗しにくくなります。
最後の1分は触らず余熱で中心まで火を通し、同時に盛り付けます。

食材別の最適コンビ

鶏肉と青菜

鶏もも肉は脂が出るので、青菜のうま味油として転用できます。
皮目をしっかり焼き付け、返して縁で保温している間に、中央で小松菜やほうれん草をサッと炒めます。
青菜は塩とごま油、鶏は醤油とみりんで味を分けると、香りが重なりすぎません。
シャキッとした青菜の食感が油のコクを受け止めます。

豚こま肉と根菜

豚こまは広げて焼くと短時間で香ばしくなります。
出てきた脂で薄切りのれんこんやにんじんを炒めると、香りがしっかり移ります。
とはいえ根菜の火通りは遅いので、水を少量加えて蒸し焼きにしてから仕上げに強火で水分を飛ばします。
コロッと形を残す厚みのほうが満足感が出ます。

魚と芋類

鮭やタラは焼き付け時間が短く、じゃがいもは火通りに時間がかかります。
先に薄切りのじゃがいもを蒸し焼きにし、縁で保温してから中央で魚の表面を焼くのが順序です。
魚はバターとレモン、芋は塩とハーブで味を分けると、香り移りの不安が軽くなります。
ホクッとした芋がソースを吸って一体感が出ます。

大豆製品ときのこ

厚揚げや木綿豆腐は水分を抜いてから焼くと表面が香ばしくなります。
きのこは油を吸いやすいので、厚揚げから出た油をうまく使います。
先にきのこを蒸して水分を飛ばし、縁に寄せ、中央で厚揚げを焼いて仕上げにバターや醤油を少量回します。
ジュワッと染みる音がしたら火を止めて余熱で味をなじませます。

味付けを並走で設計する

ベースだれの二段活用

醤油・みりん・酒を各大さじ1ずつ混ぜた基本だれを用意します。
主菜にはそのまま絡め、副菜には同じ比率で水を少し足して薄めに使うと、統一感が出ます。
甘辛に寄る場合は、酢や柑橘で後味を軽くすると飽きにくくなります。
トロッと煮詰めるのは主菜だけに限定し、副菜は煮詰めず香り付けで止めます。

仕上げの酸と香りで差をつける

同じ塩分でも、最後に加える酸で印象が変わります。
主菜はレモンや黒酢で重さを切り、副菜はすだちや米酢で軽く仕上げます。
香り油はごま油、バター、オリーブ油などを小さじ1以下で使い分けます。
フワッと立つ香りが「別の料理」の手応えを作ります。

焦げ管理と水分コントロール

砂糖やみりんが入ると焦げやすくなります。
甘いタレを入れるのは必ず最後、火を弱めてからにします。
水分は「50ml→蒸気→飛ばす→味決め」の順で管理すると、べちゃつきを避けられます。
ジリッと香ばしい匂いが来たら、ひと呼吸置いて火を止めます。

実践レシピ4選(所要時間と段取りつき)

鶏もも照り焼き+小松菜ナムル

鶏もも1枚は塩こしょうをして皮目から焼き付けます。
返して縁で保温し、中央に小松菜1束を入れ水50mlで1分蒸します。
水気が飛んだらごま油と塩少々で和え、器に先に移します。
空いた中央に醤油・みりん・酒各大さじ1を入れて鶏に絡め、照りを出します。
ジュワッと泡が大きくなったら火を止め、盛り合わせます。
所要10〜12分で完成します。

豚しょうが焼き+キャベツ塩昆布

豚こま200gは醤油大さじ1、酒大さじ1、すりおろし生姜で下味を5分。
中央で広げて焼き付け、返して縁で保温します。
中央にキャベツざく切り200gを入れ水40mlで1分蒸し、塩昆布小さじ2を絡めます。
仕上げに豚のタレを軽く煮詰めて照りを出し、同じ皿に盛ります。
シャキッと芯が残るくらいで火を止めるのがコツです。

鮭のムニエル+じゃがいもレモン

薄切りじゃがいも2個分を水60mlで2分蒸し、縁へ。
中央に小麦粉を薄くまぶした鮭2切れを置き、両面を焼きます。
バター10gとレモン汁小さじ1を鮭に回しかけ、塩こしょうで整えます。
じゃがいもは塩とドライパセリで仕上げます。
カリッと薄い焼き目が付いたら同時に盛り付けます。

厚揚げステーキ+舞茸バター

舞茸1パックはほぐして中央で水40mlを加えて1分蒸し、縁へ。
中央で厚揚げ1枚を両面焼き、醤油小さじ2を回しかけます。
仕上げにバター10gを舞茸へ、厚揚げには七味をひとふりします。
ジュッと香りが立ったら火を止め、熱いうちに盛ります。
短時間でもコクのある一皿になります。

片付けと保存のコツ

焦げ付かせない洗い方

調理直後にフライパンが温かいうちにキッチンペーパーで油を拭き取ります。
ぬるま湯を注いで1分置き、木べらで軽くこそげれば大半の汚れは落ちます。
クッキングシートを敷いた部分は剥がすだけで大きな汚れが減ります。
スッと汚れが浮いたら通常通り洗剤で仕上げます。

作り置きとリメイク

副菜は多めに作り、翌日はスープや卵焼きの具に転用します。
主菜のたれは少量の湯で伸ばしてパスタや丼だれに変えられます。
とはいえ魚介のたれは翌日には匂いが強くなるため、当日中の消費が安心です。
コトッと保存容器に移す前に粗熱を取り、冷蔵は2〜3日を目安にします。

まとめ

フライパン一つで主菜と副菜を同時に作る鍵は、中央と縁の温度帯を見極め、焼き付けと蒸し焼きを並走させることです。
仕切りにアルミホイルやクッキングシートを使えば、味移りを防ぎながら片付けも楽になります。
まずは「鶏+青菜」や「豚+根菜」の組み合わせから始め、段取りテンプレを体に覚えさせましょう。
ジュワッという合図を合図に火力を調整すれば、10分前後で満足度の高い二品が食卓に並びます。
今夜の一回を成功体験に変えれば、明日の自分が助かります。
気負わず一皿、さあ実践してみませんか。

  • この記事を書いた人

あすな

WEB制作歴10年。 会社員でWEBクリエイターとして勤務。 デジタルガジェット、WEB技術、投資、ライフハックに興味があり現在複数のブログを運営中

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