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【副業】“営業しない営業”の仕組み:発信×検索×推薦の導線設計【ライフハック】

副業で「営業しない営業」を実現する鍵は、あなたの代わりに働く導線づくりです。ポートフォリオを眺めてもらい、DMで口説くのではなく、「発信」で関心を温め、「検索」で必要な瞬間に見つけてもらい、「推薦」で最後の一押しを任せる。三つの接点を一本の道に束ねることで、見込み客の“買う理由”はあなたが営業を始める前に整います。朝の通勤電車で読まれた短い投稿が、昼休みの検索につながり、夕方の同僚の一言推薦で依頼が決まる——そんな流れが、すっと(そしてじわり)と毎週の相談を増やします。本稿では、具体的な設計図・チェックリスト・小さなテンプレを示しながら、明日から回せる「発信×検索×推薦」の導線の作り方を解説します。対面での気まずい売り込みを減らし、必要としてくれる人にだけ自然に届く仕組みへ舵を切りましょう。

なぜ「営業しない営業」が副業で効くのか

副業の制約(時間・信頼・予算)を逆手に取る

副業では「時間が細切れ」「実績が少ない」「広告費が出しにくい」という壁が並びます。そこで、接触コストの低い発信で関心を育て、検索で指名性を高め、推薦で信頼の不足を補う——この順番が相性抜群です。大規模な広告運用や毎日の電話営業が難しくても、ミニ記事や作業ログはすき間時間で積み上げられます。信頼は“第三者の声”で補強できますし、検索はあなたが寝ている間も働きます。制約は設計の条件に変わります。

人が買う瞬間は営業前に決まっている

多くの依頼は「比較検討の前」に心が傾いています。発注者はタイミング・安心材料・具体像の三点で決めます。タイミングは検索で掴み、安心材料は推薦と制作過程の開示で満たし、具体像は発信のサンプルで伝える。営業トークを磨くより、目の前に来る前の体験を整えるほうが効きます。実際、「過去事例→作業手順→価格の考え方」を公開しただけで、面談前の質問が減り、交渉が短く済むケースが増えます。

「指名買い」を生む3つの接点(発信×検索×推薦)

三つの役割分担を明確にします。発信は“温度を上げる”、検索は“場面に出る”、推薦は“背中を押す”。発信だけでは「いいね」で終わりがち、検索だけでは「誰でもよい発注」になりがち、推薦だけでは母数が少ない。三位一体にすることで「見つけた時点で、あなたで良い」という状態に近づきます。以降は、それぞれの設計と、最後に束ねる導線づくりを具体策で掘り下げます。

まず「発信」を起点にする:三つのコンテンツ設計

ルーティン型(毎日/毎週の小さな価値)

ルーティン型は、短時間で反復できる小粒の発信です。例として「30分で書ける業務の裏ワザ」「今週試したツールの設定メモ」「依頼前チェック5項目」。重要なのは“続く型化”。曜日でテーマを固定(火=用語解説、金=成果のふりかえり)、1投稿=見出し・手順・注意点・一言CTAの4ブロックに統一。画像は同じテンプレに差し替えで、制作時間を圧縮します。目的はバズではなく“あなたの視点に慣れてもらうこと”。習慣化が信頼の代わりになります。

プロジェクト型(過程と結果を見せる)

プロジェクト型は「作っている途中」を魅せる発信です。企画→下準備→実装→検証→学びの工程を、小分けに公開します。過程の開示は「頼んだあとが見える」安心感を生みます。完成物だけでは差が出にくい領域でも、選択理由や失敗の修正が伝わると、依頼主の納得度が上がります。毎回の投稿末尾に「今日はここまで、次は◯◯を検証します」と書き、連載化するのがコツ。検索から来た人も前後を回遊しやすくなります。

ライブラリ型(資産化する長文・テンプレ)

月1本の長文で“検索に耐える資産”を作ります。テーマは「依頼前の不安を解く手引き」「価格が上下する条件」「よくあるミスと回避策」など、発注者視点の疑問を軸に。納品時のチェックリストや見積根拠テンプレは特に刺さります。見出しはH2/H3で段階化し、冒頭で“読みどころ”を箇条書きに。図解や事例リンクを挿入して、ブックマークされる記事に仕上げましょう。これが検索と推薦の“受け皿”になります。

コンテンツの品質基準(E-E-A-T を言い換え)

専門性=「手順が具体か」、経験=「自分の判断基準を明記しているか」、権威性=「第三者の検証や引用可能性があるか」、信頼性=「更新日・連絡導線が明快か」。難しく考えず、各投稿の末尾に「参考:使用ツール/検証条件/所要時間/リスク」を1行で添えるだけでも品質が上がります。嘘のない範囲で再現可能性を高めることが、後の推薦でも効いてきます。

「検索」に拾われる仕掛け:ミニSEOと整備

キーワード仮説の立て方(不と未の言葉)

副業のSEOは“網を広げる”より“刺さる言葉を深掘り”です。狙いは「不安・不満・不足・未経験・未整備」などの“不/未”キーワード。「LP 書けない」「見積 どこから」「Notion 共有 できない」といった“困り語”を拾います。方法は簡単で、過去のDM・打合せメモから実際に言われた語尾を抜き出し、表計算で「目的語×動詞」の組み合わせを量産。月間検索数が少なくても、受注率は高くなります。

ページ構造と内部導線(H2/H3・CTA・回遊)

検索から来た人は「私の疑問に答えてくれるか」を最初の10秒で判断します。冒頭に要点(誰の何の悩みにどう答えるか)を3行で提示し、H2/H3で段階的に回答。各H2末に“次の行き先”を用意します。例:「価格の考え方を理解したら、見積テンプレをどうぞ」。CTAは二段構え——①低ハードル(テンプレDL/チェックリスト閲覧)、②高ハードル(相談フォーム/カレンダー予約)。回遊の導線は「同シリーズ」「関連課題」「成功事例」の3系統で。

3時間でできる簡易SEOチェックリスト

1時間目:既存記事を3本選び、タイトルを“困り語”に寄せて再編集(例:「SNS 運用 何から」→「SNS運用は何から?初月の設計図」)。
2時間目:見出しの粒度を統一(H2=章、H3=手順/判断基準/注意点)。目次を設置し、冒頭に読了メリットを明記。
3時間目:内部リンクの張り替え(各H2末に1リンク)。最後に“更新日/所要時間/推奨読者”を追記。画像の代替テキストも入れます。完璧を狙わず、まず回すことが目的です。

ロングテール×即レスの合わせ技

検索からの問い合わせは“待たせない”ほど成約が近づきます。フォーム到着→自動返信メールで「受領/回答予定/事前質問3つ」を即送。よくある質問は事前アンケートで潰し、面談前に「提案方針の素案」を箇条書きで共有。ロングテール語から来た相談は具体性が高いため、初回返信の濃度が勝負です。テンプレを用意しておけば、夜の30分でも的確に返せます。

「推薦」を発生させる:紹介される前提条件

小さな共感ポイントを用意する(引用可能性)

推薦は“引用されやすさ”から生まれます。1投稿1アイデアに固有名を付ける(例:「30分設計」「3色ルール」「5問ヒアリング」)。他人が会話で説明しやすい名前を与えると、紹介が増えます。図やテンプレは「出典表記OK」を明記。SNSで引用されたときの埋め込み画像は共通デザインにし、持ち運びやすい形に整えます。

共同作業の接点を作る(公開メモ・雛形)

推薦を加速させるのは“共作のきっかけ”。公開メモ(課題リスト/調査ノート)や雛形(議事録/設計シート)を誰でもコピーできる形で置き、「使ったら名前を入れてOK」とするだけで、自然にあなたの名前が広がります。共同ウェビナーや少人数の作業会も有効です。参加者の成果をまとめてフィードに返すと、二次推薦が発生します。

依頼を断らないための在庫管理(スロット制)

推薦が回り始めると、一定期間に相談が集中します。断り続けると推薦は鈍ります。そこで“スロット制”を導入。たとえば「毎月3枠」。空き状況を公開し、埋まったら相談フォームは「次回募集の通知登録」に切り替え。納期に余裕がない案件は「ライト版/診断版」で受け、フル版へ誘導する二段階設計に。受け皿を柔らかく用意することが、推薦の熱を冷まさないコツです。

推薦を回すための一言テンプレ

紹介してくれた人への返信は速度と温度が大切です。
・紹介者へ:「ご紹介ありがとうございます。◯◯さんの文脈を踏まえ、初回は△△の確認から進めます。進捗はここで共有しますね。」
・見込み客へ:「◯◯さんからお話伺っています。まず現状の資料を2点だけ共有いただければ、初回提案の骨子を当日中に返します。」
この“予告と安心”のひと言で、三者の心理的負担が減ります。

3つを束ねる導線設計:シナリオと計測

典型シナリオ3本(学び/比較/切迫)

導線は「学び→比較→申し込み」「比較→学び→申し込み」「切迫→学び→申し込み」の3本柱で組みます。学び導線はチェックリストDLからのステップメール、比較導線は事例ギャラリー→見積シミュレーター、切迫導線は“よくあるトラブル回避ガイド”→クイック相談。あなたのサービスの“決め手”に合わせて、最短の道を見取り図にします。

タグとイベントで可視化する(GA4/表計算)

計測はシンプルで十分です。CTAクリック、フォーム到達、テンプレDL、予約成立の4イベントに絞り、記事ごとに「どこから来て、どこで離脱したか」を毎週見る。ツールが難しければ、表計算で“日付/発信テーマ/検索語/推薦者/成果”のログをつけるだけでも傾向が見えます。数字が小さいうちは“増やす”より“整える”。遷移の穴(リンク切れ・説明不足)を塞ぐと、同じ流入でも成約が伸びます。

週次ループ:仮説→実験→観測→微修正

毎週、30分の点検を固定化します。仮説(次週は「見積の悩み」を推す)→実験(該当記事の冒頭を改稿、ルーティン投稿を合わせる)→観測(イベント4つの前週比)→微修正(リンク/CTA/タイトル)をループ。大規模な施策は不要で、小さな調整が積もるほど導線は滑らかになります。やることが多いと感じたら、まず“1記事1CTA”と“1週間1改善”だけに絞ってください。

事例で理解する:職種別ミニ設計図

ライター×ノーコード(Notionテンプレ販売)

ライターの副業なら、「取材→構成→仕上げ」の手順を可視化しつつ、NotionやGoogleドキュメントの雛形を少額販売に。発信は「構成のビフォーアフター」を週1、プロジェクト型で取材メモを連載、ライブラリ型で「原稿料の決め方ガイド」。検索は“困り語”の「取材 質問 出てこない」「構成 迷う」を狙う。推薦はテンプレ利用者の感想を引用可能にして回す。受注は「取材30分ライト/通常/リライト」の3スロット制。

デザイナー×コンサル(診断→見積の自動化)

デザイナーはビジュアルの“言語化”が差になります。発信で「配色の根拠」「余白のルール」を短尺で、プロジェクト型でワイヤーから完成までの判断を公開。ライブラリ型は「ブランドトンマナ診断」を長文化し、簡易診断フォーム→自動返信で「仮見積と提案骨子」を返す仕組みに。検索は「ロゴ 依頼 迷う」「LP 改善 どこ」で拾い、推薦は共作の雛形(フィードバックシート)を配布して広げます。

エンジニア×教育(ショート動画×技術記事)

エンジニアは“教育×小さな成果物”が強いです。発信はショート動画で「3分の実演」、プロジェクト型でリファクタの過程を連載、ライブラリ型で「設計レビューのチェックリスト」。GitHubの既存ツールを“導入→設定→落とし穴”で記事化し、検索の受け皿に。推薦は勉強会のスライドを使い回し可能にして、参加者が組織内で流せる形に。受注は「診断/プロトタイプ/実装伴走」の三段階で在庫管理します。

コーチ/士業(無料オファーと推薦ネット)

コーチや士業は“初回の体験価値”が決め手。発信は「3問セルフチェック」や成功/失敗の分岐図、ライブラリ型は「契約前に決めるべき5点」。検索は「確定申告 何から」「副業 就業規則 確認」など“今すぐ知りたい”語を拾う。推薦は同業横のネットワークを設計し、「自分の守備範囲外は必ず紹介し合う」協定を作ると回転が早まります。予約は「夜間30分×週2枠」で固定し、切迫ニーズに応えます。

ありがちなつまずきと立て直し(ケース別)

発信が続かない:時間ではなく“型”を固定する

続かない最大の理由は、毎回「何を書くか」から悩むことです。先に“型”を決めましょう。たとえば「課題→手順→結果→注意点→一言CTA」の5ブロック。1投稿は400〜600字、制作は25分タイムボックス、画像は共通テンプレにテキスト差し替えのみ。ネタは「依頼前の質問」「作業で詰まったログ」「他者に渡したアドバイス」を付箋でストック。週の初めに3本分だけ見出しを先に作り、隙間時間で本文を埋めると失速しにくくなります。うまくいかない日は“質問2個だけ”のショート投稿で可動率を維持します。

検索で拾われない:タイトルと内部導線の再設計

検索流入が伸びないときは、まずタイトルを“困り語”に寄せて改題します。「◯◯のコツ」より「◯◯で手が止まるときの対処」の方が刺さります。H2は章、H3は手順や判断基準に限定し、冒頭に“誰が/何に/どの順で答えるか”を3行で提示。各H2末に関連H2へのリンクを1つだけ貼ると回遊が滑らかです。画像の代替テキストは「課題+解決語」で統一。古い記事は“更新日”と“追記”を冒頭に明記し、検索エンジンと読者の安心を両立します。

推薦が起きない:引用されやすい“固有名”を付ける

紹介が増えないときは、発信の“持ち運びやすさ”が足りません。1投稿1アイデアに短い固有名を付け、図解の右下に名称を入れます(例:「3色ルール」「30分設計」)。コピー可能な雛形やチェックリストは、利用時の「出典表記OK」を明記。共作の接点として“公開メモ”を置き、使い方を1分動画で添えると、紹介の導線が太くなります。推薦が来たらスロット制(例:月3枠)で在庫を見える化し、断る頻度を下げましょう。

問い合わせはあるが“安い”案件が多い:価格の“階段”を作る

単価が上がらない原因は、比較の土台がないこと。最小作業単位(診断30分/ライト版/標準/伴走)で階段を作り、「納期係数」「難易度係数」「緊急係数」を表にして見積の根拠を提示します。価格を上げるのではなく“根拠を見せる”。さらに“無料の代替案”を1つ添えると、安価依頼の攻防が減ります(例:「予算が合わなければ、記事テンプレ+30分相談をご利用ください」)。

全体設計を一枚にする:導線マップの描き方

三つのキャンバス(ジャーニー/ライブラリ/CTAツリー)

A4を3枚用意します。1枚目は読者ジャーニー(気づき→比較→申込)。2枚目はライブラリ(H2単位で棚卸し、弱い棚に増設メモ)。3枚目はCTAツリー(低ハードル→中ハードル→高ハードル)。投稿を1つ作るたび、どの矢印に置くかを赤ペンで追記。月末に3枚を見比べ、「矢印が切れている箇所」と「密集している箇所」を補強します。地図化すると、足す/減らすの判断が速くなります。

記事→CTA→計測IDをひも付ける

各記事の末尾CTAに“ID”を振ります(例:CTA-01DL、CTA-02予約)。フォームやボタンのクリック計測名も同じIDで統一。毎週、表計算で「日付/訪問源/記事/CTA/結果」を記録し、前週比で増減を見るだけで十分です。数が少ない間は統計的に揺れるので、“勝ちパターンの仮説”を言語化して追跡します(例:「困り語×診断DLはCVRが高いはず」→3週観測→微修正)。

非同期化で“夜だけ運用”に強くする

相談が来た瞬間に人手が要る設計は副業と相性が悪いです。自動返信メールで「受領済み/次回返信予定/事前の資料2点」を即送。予約カレンダーは“夜間2枠+土曜1枠”に固定。見積は雛形に数字を入れるだけにし、支払いは“前金30%+着手合意”の二段階。テンプレ、雛形、FAQを溜めるほど、実働を短く保てます。

低コスト・最小スタックで回す

必須は3点だけ(ノート/フォーム/メール)

最初はノートアプリ1つ、フォーム1つ、メール配信1つで充分です。ノートはライブラリ管理と公開下書き、フォームは問い合わせ/診断/予約、メールは自動返信とステップ配信。費用は月数百〜数千円の範囲で収まります。画像編集は共通テンプレで済ませ、データはクラウドで共有。ファイル名は「日付_内容_版」で揃えると検索が速くなります。

自動化の“最短距離”

通知(フォーム→チャット)、スプレッドシート追記(相談→ログ)、メール送信(DL→ステップ配信開始)の3本だけ自動化。いきなり複雑な連携は不要です。障害時に手動へ切り替えられるよう、各自動化の入口と出口を1枚の図に描いておきます。負荷が上がってから拡張すれば十分間に合います。

セキュリティと法務の最低限

個人情報は「取得目的」「保存期間」をフォームに明記。成果物の著作権とクレジット表記は契約前に確認。免責事項は「検証条件/リスク/再現性の範囲」を短文で添えるだけでもトラブルを減らします。特商法や利用規約が必要な提供形態なら、テンプレをベースに専門家レビューを一度だけ受けると安心です。

コンテンツの“そのまま使える”テンプレ

週次ルーティン投稿テンプレ

「課題:◯◯で手が止まる
手順:①設定→②実行→③検証
結果:△△の数字が◯%改善
注意:××環境では再現低下
一言:資料の雛形はこちら(CTA-01DL)」

プロジェクト連載テンプレ

「今日やったこと:/判断理由:/失敗と修正:/明日の予定:/読者への問い:」
各項目は2〜3行で。連載名に固有名を付け、サムネは共通化します。

ライブラリ記事の構成テンプレ

「導入:誰の何の悩みにどう答えるか
H2:判断基準(H3:基準A/基準B)
H2:手順(H3:準備/実行/検証)
H2:見積と条件(H3:係数/納期/リスク)
H2:次の行き先(関連CTA/診断)」

自動返信メールの雛形

件名:「ご相談ありがとうございます|◯◯」
本文:「受領しました。◯月◯日(◯)までに一次回答します。事前に以下2点のみ共有ください。1)現状資料の最新版 2)目標の尺度(例:◯◯の数値)。受領後、初回提案の骨子を当日中に返送します。」

推薦時の一言テンプレ

紹介者へ:「ご紹介ありがとうございます。◯◯さんの背景を踏まえ、初回は△△の確認から入ります。進捗はこのスレッドで共有します。」
見込み客へ:「◯◯さんから伺っています。まず2点だけ資料をご送付ください。初回提案の骨子は本日中にお送りします。」

価格設計と見積の透明化

“係数”で見積を言語化する

見積表は「作業項目/工数/難易度係数(1.0〜1.5)/緊急係数(1.0〜1.8)/再現性(テンプレ可=▲%減)」の5列に。単価をいじるのではなく、係数と再現性で説明します。これにより相談者は「どこを削れば安くなるか」を理解でき、交渉が建設的になります。

オプション化と“診断版”

フルスコープ前提の見積は通りにくいもの。診断30分、ライト版(課題整理のみ)、標準(実装+検証)、伴走(継続)の順でオプション化。診断後にフルへ充当できる仕組みにすると、初速が上がります。価格表には「含まないもの」も明記し、境界を曖昧にしないことがポイントです。

値上げの進め方

既存顧客は60日前に事前告知し、「代替プラン(ライト/回数券)」を提示。新規は告知から14日以降に新価格適用。値上げ理由は“生産性向上による品質維持”と“サポート時間の確保”で説明。ブログにも“価格が上下する条件”を公開し、突然感をなくします。

指名買いを強くする“証拠”づくり

Before/Afterより“判断ログ”

成果物の比較だけでは説得力が弱いことがあります。判断ログ(なぜそう決めたか)を時系列に残し、スクリーンショットと一緒に提示。KPIは“誰でも測れる指標”で統一(例:クリック率/完読率/返信率)。検証条件(母数/期間/変数)を1行で記録し、誤解を予防します。

失敗の説明が信頼を生む

うまくいかなかった事例も、「前提→試行→結果→原因→再設計」で公開。反論が来そうな点は先回りして書き、再説明で学びを残します。結果が芳しくなくても、プロセスの透明性が推薦の燃料になります。

ソーシャルプルーフの集め方

感想は「具体施策」と「結果」を分けて短文で依頼(例:「実施したこと:◯◯/よかった点:◯◯/変化:◯◯」)。長文の推薦より、引用しやすい3行の証言の方が拡散します。許諾は文面で明確に取り、掲載名の表記(実名/匿名)も選んでもらいます。

30-60-90日の実行ロードマップ

最初の30日:仕込みと小さな勝ち

・発信:ルーティン型を週3、本数より継続。
・検索:既存記事3本を“困り語”へ改題、H2/H3整備。
・推薦:固有名のルールとテンプレ配布を開始。
・成果目標:CTA-01(DL)10件、相談2件。
この時期は“地図づくり”に集中。導線マップ3枚を完成させます。

60日:資産化と自動化

・発信:プロジェクト連載を開始(週2)。
・検索:ライブラリ型の長文を月1本、内部リンクを張り替え。
・自動化:自動返信と予約カレンダー、ステップメール1本目を稼働。
・成果目標:DL30件、相談6件、成約2件。
勝ち筋のCTAを特定し、関連記事を増やす“面”の戦術に移行。

90日:最適化と在庫管理

・発信:失敗事例+再設計の記事を1本公開。
・検索:古い記事の更新日を揃え、構造の穴を補修。
・推薦:共作の小イベント(作業会)を開催、参加者の成果をまとめ記事に。
・在庫:スロット制を運用、満枠時は“次回募集通知”を案内。
・成果目標:DL60件、相談10件、成約3〜4件。
ここまで来ると“営業しなくても回る”手応えが出ます。

よくある質問(不安を言語化してつぶす)

実績がほぼゼロでも始められる?

はい。プロジェクト連載で“過程”を公開し、雛形や判断ログを資産化すれば、実績の代替になります。最初の依頼は診断やライト版で信頼を積みましょう。

時間が取れない

1日25分×週4回の“型”運用に絞り、週末に3本の見出しだけ先に作成。予約枠は夜間2枠+土曜1枠に固定するとブレません。

機密情報が多くて事例が出せない

匿名化のガイドラインを用意し、「判断ログ」と「再現可能な手順」に主軸を置けば、機密を守りつつ価値を伝えられます。

価格に自信がない

係数(難易度/緊急/再現性)で説明し、無料の代替案を1つ添えると交渉の摩擦が下がります。値上げは60日前告知と代替プラン提示をセットに。

仕上げのチェックリスト(印刷用)

発信

・1投稿=5ブロックで書いたか/固有名を付けたか/画像は共通テンプレか/更新日を明記したか。

検索

・タイトルは“困り語”か/H2=章、H3=手順か/各H2末に1リンクあるか/代替テキストは適切か。

推薦

・引用可能な図や雛形があるか/共作の入り口(公開メモ)があるか/スロット制で在庫を見せたか。

導線

・導線マップ3枚を更新したか/記事→CTA→計測IDが紐付いているか。

計測

・DL/フォーム/予約/成約の4イベントを前週比で見たか/勝ちパターンの仮説を文章化したか。

まとめ

“営業しない営業”は、偶然の口コミ待ちではありません。発信で温度を上げ、検索で必要な瞬間に現れ、推薦で背中を押す——この三つを一本の導線で結ぶと、あなたが席を外している時間も仕組みが働きます。まずは1週間、ルーティン投稿の型を決め、既存記事3本を困り語に改題し、CTAにIDを振ってください。小さな改善が連鎖すると、相談の質と単価がじわりと上がります。あなたの専門は、静かに探している誰かの問題を今日も解きます。背伸びは要りません。最初の25分を、地図の最初の線に。

  • この記事を書いた人

あすな

WEB制作歴10年。 会社員でWEBクリエイターとして勤務。 デジタルガジェット、WEB技術、投資、ライフハックに興味があり現在複数のブログを運営中

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